絶滅の人類史
なぜ「私たち」が生き延びたのか
更科 功
NHK出版新書
2018年
p18
最古の化石人類は約700万年前
化石人類は25種ぐらい見つかっている
p20
かつて人にとってチンパンジーより近縁な生物が25種もいたのである
p31
「草原で暮らすようになったので直立二足歩行が進化した」というシナリオ自体が成り立たたなくなったのだ
p34
【草原では直立二足歩行は目立つのですぐに捕食者に見つかる旨】
直立二足歩行が草原ではなく疎林で進化したことも納得がゆく
p35
【まばらに木が生えていれば、木に登って逃げられる旨】直立二足歩行は木のある環境でしか進化しないのだ
p51
チンパンジーを見ると、確かにオスには大きな犬歯がある。いわゆる牙だ
p52
チンパンジー
乱婚の社会
こういう社会には、オスによる子殺しを抑制する校があるといわれる。
自分の子かもしれないので、オスはその子を殺さないのだ
p54
次のようなシナリオが出来る。「アフリカにいた類人猿の中で、一夫一妻かそれに近い社会を作るようになった種が、約700万年前に現れた。その種は同種内で争うことはほとんどなくなったので、犬歯が小さくなった」
p58
オス同士の戦いが激しいチンパンジーでは、5から10頭のオスに対してメスが一頭だ。一方、私たちヒトは類人猿と異なり発情期がない。だからいつでも交尾できる。その結果、オスとメスの割合が1対1に近くなっている。
p64
「オスがメスや子供のために食物を手で運ぶために、直立二足歩行を始めた」という仮説を食料運搬仮説と呼ぶことにしよう
食料供給仮説と呼ぶのが、一般的である。
p103
チンパンジーの兄弟姉妹に年子がいない
p104
チンパンジーの出産間隔は5から7年である
p125
人類は直立二足歩行をはじめてから約450万年もの間、石器も作らなかったし、脳も大きくならなかったのだから。でもそれはどうしてだろうか。脳はエネルギーをたくさん使う器官である
p131
ホモ・エレクトゥスの時代に奇跡が起きた。手で物を運べるという直立二足歩行の最初の利点が、一夫一妻に近い社会と結びついて、たまたま初期人類で進化した
p152
【ジャワ原人、北京原人はいずれもホモ・エレクトゥスである旨】
p160
ホモ・ハイデルベルゲンシスは約70万年前~約20万年前に生きていた人類で
脳容量は約1100~1400ccで
ヒトの変異の範囲に充分納まっている
ホモ・ハイデルベルゲンシスから、ネアンデルタール人とヒトが進化したと考えられている
p165
哺乳類では社会的な動物ほど脳が多きことが報告されている
p174
約4万年前までにはネアンデルタール人が絶滅していたことが、ほぼ明らかとなった
p179
ネアンデルタール人の肌の色は白かったと考えられている
p182
アフリカを出てヨーロッパに住み着いたホモ・ハイデルベルゲンシスの一部から恐らくネアンデルタール人が進化した。一方、アフリカにとどまったホモ・ハイデルベルゲンシス(あるいはその近縁種)の一部がホモ・サピエンスに進化したと考えられている
p192
【著者の部屋の1回下の部屋にあるネアンデルタール人の頭蓋骨】その脳容量は約1740ccもある。一方、ヒトの脳は1350㏄ぐらいが平均と言われている
p193
ネアンデルタール人の脳は前後に長いが、高さはなく、横に膨らんでいて、後ろに突き出していた
p200
【スペインの洞窟で見つかったネアンデルタール人の遺骨】
成人から乳児まで12体
骨には叩き割られた跡
おそらく彼らは食人の犠牲者で、骨が叩き割られていたのは脳や骨髄が目当てだったのあろう
なぜ「私たち」が生き延びたのか
更科 功
NHK出版新書
2018年
メモするべき箇所の多い良書であるが、参考文献は一切書かれてはいない。著者の主張というよりは、従来から主張されてきた人類発生史を上手くまとめている。注目すべきなのは、
ヒトには犬歯がない=オス同士の雌を巡る戦いが少なかったはずである 点から
①ヒトには発情期がない②年子の兄弟姉妹も多い=女性は出産後もすぐに妊娠できる→この2点から、生殖に関して言えば、チンパンジーと異なり、ヒトの場合には男女比は1対1に近い→一夫一妻制に近い社会を構成しうる条件となる→自分の子である可能性が極めて高いパートナーが生んだ子及び子育てをするメスのために食料を運ぶ必要が出てくる→①直立二足歩行の遺伝子変異が集団内に広まる原因となる。②形質面でも犬歯の必要性が薄れる
としている点である。食料運搬仮説については、別著で表現だけは知っていたものの、単なる疑問の付く仮説と見做してきたが、本書のように分かりやすく上手く解説されると、ホントかな?と思うようになる。
著者独自の主張かもしれない、「一夫一妻かそれに近い社会を作るようになった種が、約700万年前に現れた。」は、発情期がないというヒトの特徴が決め手となってしまう。犬・猫は集団を形成しないが、野生の猫の一部=ライオンは集団を形成し、小さなハーレム制であり、一部のオスははじき出される。
ヒトには犬歯がない=オス同士の雌を巡る戦いが少なかったはずである 点から
①ヒトには発情期がない②年子の兄弟姉妹も多い=女性は出産後もすぐに妊娠できる→この2点から、生殖に関して言えば、チンパンジーと異なり、ヒトの場合には男女比は1対1に近い→一夫一妻制に近い社会を構成しうる条件となる→自分の子である可能性が極めて高いパートナーが生んだ子及び子育てをするメスのために食料を運ぶ必要が出てくる→①直立二足歩行の遺伝子変異が集団内に広まる原因となる。②形質面でも犬歯の必要性が薄れる
としている点である。食料運搬仮説については、別著で表現だけは知っていたものの、単なる疑問の付く仮説と見做してきたが、本書のように分かりやすく上手く解説されると、ホントかな?と思うようになる。
著者独自の主張かもしれない、「一夫一妻かそれに近い社会を作るようになった種が、約700万年前に現れた。」は、発情期がないというヒトの特徴が決め手となってしまう。犬・猫は集団を形成しないが、野生の猫の一部=ライオンは集団を形成し、小さなハーレム制であり、一部のオスははじき出される。
p18
最古の化石人類は約700万年前
化石人類は25種ぐらい見つかっている
p20
かつて人にとってチンパンジーより近縁な生物が25種もいたのである
p31
「草原で暮らすようになったので直立二足歩行が進化した」というシナリオ自体が成り立たたなくなったのだ
p34
【草原では直立二足歩行は目立つのですぐに捕食者に見つかる旨】
直立二足歩行が草原ではなく疎林で進化したことも納得がゆく
p35
【まばらに木が生えていれば、木に登って逃げられる旨】直立二足歩行は木のある環境でしか進化しないのだ
p51
チンパンジーを見ると、確かにオスには大きな犬歯がある。いわゆる牙だ
p52
チンパンジー
乱婚の社会
こういう社会には、オスによる子殺しを抑制する校があるといわれる。
自分の子かもしれないので、オスはその子を殺さないのだ
p54
次のようなシナリオが出来る。「アフリカにいた類人猿の中で、一夫一妻かそれに近い社会を作るようになった種が、約700万年前に現れた。その種は同種内で争うことはほとんどなくなったので、犬歯が小さくなった」
p58
オス同士の戦いが激しいチンパンジーでは、5から10頭のオスに対してメスが一頭だ。一方、私たちヒトは類人猿と異なり発情期がない。だからいつでも交尾できる。その結果、オスとメスの割合が1対1に近くなっている。
p64
「オスがメスや子供のために食物を手で運ぶために、直立二足歩行を始めた」という仮説を食料運搬仮説と呼ぶことにしよう
食料供給仮説と呼ぶのが、一般的である。
p103
チンパンジーの兄弟姉妹に年子がいない
p104
チンパンジーの出産間隔は5から7年である
p125
人類は直立二足歩行をはじめてから約450万年もの間、石器も作らなかったし、脳も大きくならなかったのだから。でもそれはどうしてだろうか。脳はエネルギーをたくさん使う器官である
p131
ホモ・エレクトゥスの時代に奇跡が起きた。手で物を運べるという直立二足歩行の最初の利点が、一夫一妻に近い社会と結びついて、たまたま初期人類で進化した
p152
【ジャワ原人、北京原人はいずれもホモ・エレクトゥスである旨】
p160
ホモ・ハイデルベルゲンシスは約70万年前~約20万年前に生きていた人類で
脳容量は約1100~1400ccで
ヒトの変異の範囲に充分納まっている
ホモ・ハイデルベルゲンシスから、ネアンデルタール人とヒトが進化したと考えられている
p165
哺乳類では社会的な動物ほど脳が多きことが報告されている
p174
約4万年前までにはネアンデルタール人が絶滅していたことが、ほぼ明らかとなった
p179
ネアンデルタール人の肌の色は白かったと考えられている
p182
アフリカを出てヨーロッパに住み着いたホモ・ハイデルベルゲンシスの一部から恐らくネアンデルタール人が進化した。一方、アフリカにとどまったホモ・ハイデルベルゲンシス(あるいはその近縁種)の一部がホモ・サピエンスに進化したと考えられている
p192
【著者の部屋の1回下の部屋にあるネアンデルタール人の頭蓋骨】その脳容量は約1740ccもある。一方、ヒトの脳は1350㏄ぐらいが平均と言われている
p193
ネアンデルタール人の脳は前後に長いが、高さはなく、横に膨らんでいて、後ろに突き出していた
p200
【スペインの洞窟で見つかったネアンデルタール人の遺骨】
成人から乳児まで12体
骨には叩き割られた跡
おそらく彼らは食人の犠牲者で、骨が叩き割られていたのは脳や骨髄が目当てだったのあろう
コメント