西暦3000年の人類
Nest Millenia

アイザック・アシモフ
フランク・ホワイト
林 陽 訳
徳間書店
1994年

パウロに関する記述からアシモフはユダヤ人では?感じて調べるとやはりそうであった。
SF小説をはじめ生涯に400冊を超える著作を出したアシモフの遺作であり、世界史を上手く短くまとめた高校の世界史教師が授業に使えると喜びそうな内容である。
十字軍とモンゴル帝国がヨーロッパに与えた影響に関する記述が印象的である。

p31
BC8000年頃に、人は今の北イラクで小麦や大麦などの穀類を育てる方法を学びとった。

p54
人類史はB.C3000年のシュメールに始まったと言える。かくして、それ以前の5000年は先史時代となり、以後の5000年が有史時代となる。

p56
エジプト僧マネトーはB.C250年にエジプト史を記録し、エジプトの支配者たちを30王朝に分けた。今もこの分類法がとられている。

p68
軍事力が国家を左右する時代に入った

B.C1年〜A.D1年
この時期は哲学と宗教思想が大きな発展をとげた時代でもある。

p114
B.C1年〜A.D1年に近づくと
ギリシャは、唯のローマの一属領に成り下がり、人類史に最も輝かしい

p140
500年までに、西ローマ帝国の痕跡はほぼ完全に消え去った。  

p141
ローマの各都市、道路、諸制度が崩れバラバラになるにつれて、西欧は暗黒時代へと突入した。
かつて、西ローマ帝国があった西欧のみの暗黒だったのである。東ローマ帝国とアジア諸国は健在で、その文明は高いレベルで機能していた。

p154
パウロは食事の規定や割礼などユダヤ教の特殊な儀礼に固執することを放棄し、キリスト教をユダヤ教の国家的性格から切り離した。彼は異邦人を改宗させ始め、このため、人々はユダヤ人にならずともクリスチャンになることが出来た。

p165
西欧のみが5世紀にわたる暗黒時代を経験していた。ここは、ギリシャの遺産の大部分を既に失い、西暦1000年までには文明世界では最もレベルの低い地域と化していた。次の千年間で西欧が世界の覇者になろうとは、当時の、誰一人として予想出来なかったのである。

p169
西欧を復活させた十字軍遠征

p171
アラビアに伝えられた古代ギリシャの科学と哲学をラテン語に翻訳する作業を開始した。
1200年代後半
モンゴル
歴史上初めて、通商と思想の自由な交通路が開かれたのである。この時代に、遥かに進んだ中国の文化が、様々な技術上よ発見を西ヨーロッパにもたらすようになった中でも最も重要だったのが、コンパス(羅針盤)と火薬である。

p172
中国人が自分たちの発明したものを完全に使いこなせずにいたのは興味深い。だか、ヨーロッパ人はすぐにコンパスを航海に使い始め、火薬を使った大砲さえ造り出した。
西欧は、国家主義によって絶えず軍事的緊張状態に置かれることとなった。

p180
二大革命が人類の世界観を変えた。
最初のものは科学上の革命で、もう一つは産業革命である。

p270西暦3000年の世界は人口も、安定し、エコロジーのバランスもとれ、太陽系の各所には独自の文化を持つ入植地を建設するまでになっているだろう。