黒死病 ペストの中世史 
ジョン・ケリー 
野中邦子 訳 
中公文庫 
2020年

この書は、コロナ禍もあってかアメリカでベストセラーになったとのことである。著者は研究者ではないものの優れた内容であり、記述が正しいことを別途確認した。ペストの原発地が中央アジアであることを初めて知った。コロナ禍の原発地も中国武漢である。
①コロナウイルスは自然発生したウイルスであることは確実である。
②しかし、クリスパーキャス9を使えば、バカでもチョンでも、自然発生したコロナウィルスを改変し、ヒトに感染するようにRNAを改変しうる
③今のところ、コロナウィルスは中国の研究所で改変されたとみなして、ほぼ間違いないと思われる

p15
14世紀の初めの4半世紀に内陸アジアで突然発生したと思われるこの疫病は、1347年のあきには欧州に到達していた

p29 
1330年代に発生したのだとすれば、ほぼ同時期にアジアで謎の病が生じたという文献の記述にも納得がゆく。
元史によれば、モンゴル帝国の大ハーンである28歳のトク・テムルとその息子たちは1332年に謎の病に冒され、急死した。大ハーンが死ぬ1年前、1331年の記録にも謎の病について書かれている
現代の歴史学者の多くは、今黒死病と呼ばれているこの伝染病が内陸アジアのどこかで発生し、そこから西は中東及びヨーロッパ、東は中国まで、国境を越えた交易路に沿って広がったと考えている。よく言われる発生源はモンゴル高原である。
もう一つの発生源としてよく挙げられるのはイシク湖である。
キルギス地方

p38 
ヨーロッパの死亡率は33%だったという説が定着している

p39 
中国の場合は、慢性的な内戦状態にあったので、ペストによる死亡率を推定するのは容易ではないが、1200年から1393年までに人口が50%も減り、およそ1億2300万人だったのが6500万人にまで落ち込んだ

p49 
ヒトペストの媒介者は普通のクマネズミに寄生するネズミノミである

p385 
中世初期には全体に人口が減少したが、その中でユダヤ人の死亡率は突出していた。1世紀には800万人のユダヤ人がいたが、これはローマ帝国の人口のおよそ1割に当たる。ビヌヤミンの時代になるとその数は150万にまで落ち込んでいた

ビヌヤミンとは12世紀のユダヤ人歴史学者であるビンヤミンかもしれない。