ヘタレ人類学者砂漠を行く

小西 公大
大和書房
2024年  

書かれていくご自身の内容から見て、軽いADHDであろう人類学者のインドでのフィールドワークを一般向けに書いたものであり、中身は面白いがメモ数rべき点は少ない


p69 
インド社会の関係原理を「差異の徹底的な顕示と異質性への対応・体系化」とするならば、日本社会は「同質性・単一性への傾倒と、」

p81 
そもそもインド社会は、「差異を明確化し、意識的につながろうとする」することを特徴とするものではなかろうか

p142
【著者が住み込んだインド西部の砂漠地帯にある家の状況に関して】このエリアのトライブ(少数民族)の人口分布では、ビール(Bhil)と名乗る民族集団が最も多い。このビールの人々は、さらに15の下位集団(氏族集団=クラン)に分かれていて、それぞれの集団には名前が付けられている。各氏族集団では、内部で結婚することは出来ず、他の集団から妻を娶ねばならない。(クラン外婚と呼ばれる)
そして、各集団はそれぞれ進行する民俗神を(folk deity)定めている。その多くは、砂漠のあちこちにゆかりをもつ女神たちだ。

民俗信仰の神を英語で(文化人類学では) folk deity と呼ぶことを知った。道祖神、七福神、お稲荷さん 等が日本では該当する。著者が住み込んだのは、ヒンズー教徒でもイスラム教徒でもない、かつては、藩王国の守備兵であったインド・パキスタン国境にまたがる砂漠の農耕を行わない民族集団である

族外婚はヒンズー語では、exogamy と呼ばれており、そのまま英語で使用されている。endogamy=族内婚。この場合の族内の族は広く解釈されている。