日本人だけが知らないアメリカの「世界支配」の終わり
カレル・ヴァン・ウォルフレン
井上実 訳
徳間書店
2007年
p257
国際関係の専門家
アメリカとヨーロッパは将来、「中国という難題」に立ち向かうために団結しなければならないとほのめかす。
p270
アメリカ経済はいまや中国の輸入と、中国が購入するアメリカ国債に依存している。中国はアメリカ国債の購入者としては、数年前に日本を追い越し、世界一となった。もし中国がアメリカ国債を買うのを止めれば、それだけでアメリカ経済は壊滅的な打撃を受けることになる
橋本 元首相が、「私は我が国が保有する米国債を売りたいという誘惑にかられる云々」と言ったのは有名であるが、こんなことはバカでもチョンでも知っている。しかし、アメリカ国債購入停止だけでは、壊滅的な打撃ではないであろう。
中国は台湾侵攻の前に必ず保有するアメリカ国債を全て売却するとアメリカを恫喝するはずである。従って、「中国、アメリカ国債を大量売却」云々の報道がされた場合には、中国の台湾侵攻が始まるとみなすべきである。この程度のことは、賢明な台湾の人々は百も承知であろう。
真に問題なのは、台湾有事と朝鮮半島有事が重なる可能性である。朝鮮半島の連中を絶対に日本に避難させてはならない。日本人及び世界中の人々が知るよしもないが、民族差別という重大かつ深刻な問題があるものの、朝鮮半島の連中は、集団遺伝学論文によれば、極めて特異な人々であることには、疑問の余地がない。
p285
アメリカ社会には外敵がどんなに便利な存在であるかを証明する別の興味深い一面がある。これはこの社会に昔から存在するパラドックスであり、少しでもアメリカに暮らしたことのある人ならすぐにきづくことだ。
p287
だかアメリカ人たちが敵を必要としているのは、それが習慣になってしまったからなのかもしれない。
この書が刊行されてから、既に18年経つが、この点はアイゼンハワーが大統領退任時の演説で、軍産複合体という表現で既に明らかにしている。毛沢東が存命中は、覇権を求めず!が中国のスローガンであった。それを実際には、中国の行動として、徹頭徹尾、事実上は否定したのが、一帯一路の習近平である。アメリカは昔から著者の言う通りであるが、変わったのは、中国の方である。だから、米中対立をこの視点から捉えることは間違いである。
中国史マニアの私には、中国の長い歴史の中で、今の中国は史上初めて真の意味での海洋進出を始めたように見える。その意味で、中国史のまさしく大転換である。しかし、恐らくは中国の海洋進出は失敗するであろう。
カレル・ヴァン・ウォルフレン
井上実 訳
徳間書店
2007年
日本人向け著作が多く、ジャーナリストからアムステルダム大学教授となった者による日本で売れるための空虚な内容の著作である。オランダ語のヴァン=VANは、ドイツ語のVONに相当する事実上の貴族ではないかと思ったが、そうではなく、オランダの場合には普通に使用するありふれた名前である。出版社が徳間書店であることを見落としていた。10分ほどで小見出しを見ながら流し読み。
p257
国際関係の専門家
アメリカとヨーロッパは将来、「中国という難題」に立ち向かうために団結しなければならないとほのめかす。
p270
アメリカ経済はいまや中国の輸入と、中国が購入するアメリカ国債に依存している。中国はアメリカ国債の購入者としては、数年前に日本を追い越し、世界一となった。もし中国がアメリカ国債を買うのを止めれば、それだけでアメリカ経済は壊滅的な打撃を受けることになる
橋本 元首相が、「私は我が国が保有する米国債を売りたいという誘惑にかられる云々」と言ったのは有名であるが、こんなことはバカでもチョンでも知っている。しかし、アメリカ国債購入停止だけでは、壊滅的な打撃ではないであろう。
中国は台湾侵攻の前に必ず保有するアメリカ国債を全て売却するとアメリカを恫喝するはずである。従って、「中国、アメリカ国債を大量売却」云々の報道がされた場合には、中国の台湾侵攻が始まるとみなすべきである。この程度のことは、賢明な台湾の人々は百も承知であろう。
真に問題なのは、台湾有事と朝鮮半島有事が重なる可能性である。朝鮮半島の連中を絶対に日本に避難させてはならない。日本人及び世界中の人々が知るよしもないが、民族差別という重大かつ深刻な問題があるものの、朝鮮半島の連中は、集団遺伝学論文によれば、極めて特異な人々であることには、疑問の余地がない。
p285
アメリカ社会には外敵がどんなに便利な存在であるかを証明する別の興味深い一面がある。これはこの社会に昔から存在するパラドックスであり、少しでもアメリカに暮らしたことのある人ならすぐにきづくことだ。
p287
だかアメリカ人たちが敵を必要としているのは、それが習慣になってしまったからなのかもしれない。
この書が刊行されてから、既に18年経つが、この点はアイゼンハワーが大統領退任時の演説で、軍産複合体という表現で既に明らかにしている。毛沢東が存命中は、覇権を求めず!が中国のスローガンであった。それを実際には、中国の行動として、徹頭徹尾、事実上は否定したのが、一帯一路の習近平である。アメリカは昔から著者の言う通りであるが、変わったのは、中国の方である。だから、米中対立をこの視点から捉えることは間違いである。
中国史マニアの私には、中国の長い歴史の中で、今の中国は史上初めて真の意味での海洋進出を始めたように見える。その意味で、中国史のまさしく大転換である。しかし、恐らくは中国の海洋進出は失敗するであろう。
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