ダーウィンの思想
ーー人間と動物の間
内井 惣七
岩波新書
2009年
p43
【ダーウィンの自然淘汰説は】マルサスの「人口論」を読んで自然淘汰説がひらめいたというのが定説である
p47
ダーウィンは、「結婚の損得勘定表」を」作るほどの分析的知性の持ち主で
p133
【ダーウィンは】ランの花の込み入った構造に魅惑され、その研究にのめりこんでしまう。それは1861年のこと。ランの花には、雄しべと雌しべがあり、ほとんど一体化してすぐ近くに位置しているにもかかわらず、自家受粉を避けるための「仕掛け」が発達しているらしいのだ。自然は出来るだけ自家生殖を避けるようにできているとという強い直観を持っていたダーウィンにとって、これは是非とも究明しておきたい話題だった
p191
(メスの)働きバチ
この問題は「血縁淘汰」という1960年代に現れたアイデアによって解決された。ハチは特殊な生殖メカニズムを持っていて、働きバチは自分の妹と4分の3の割合で遺伝子を共有しているのである。そこで、直観的に言えば、働きバチは自分の子(2分の一の遺伝子を共有)を生んで育てるよりも、女王バチが生んだ妹を育てる方が、自分の遺伝子を次の世代に残すためには効率が良いのである。そこで、自然淘汰によって、こちらの選択の山が選ばれ、働きバチの特異な行動戦略(ある種の利他行動に見える)が定着したと考えられている
筆者が何故説明を省略したのかは不明であるが、下記の通り
*メスバチ (女王バチと働きバチ):
受精卵から生まれ、染色体は2本で、その面ではヒトと同じだが、下記。後は著者のとおり
*オスバチ (オスバチ):
未受精卵から生まれ、染色体は1本しかない。従って、遺伝子は完全に女王バチと同じ。 オスバチは事実上の女王バチの「クローンバチ」である。当然、女王バチのために一見利他的な行動をするが遺伝子から見れば自己のための行動である。
p192
ドーキンス「利己的な遺伝子」での有名な例がある。
【鳥は体にとりついたダニをお互いに取り合う、取らなければ、病原菌の伝染になる旨】相互に「利他的な行為」を行うことで両者の生存率は大幅に改善される。このような生存戦略は自然淘汰で広がり得るのである
イギリス以外では動物学の分野ではドーキンスは否定されつつある。反面、イギリスでのみ、ドーキンスはダーウィン並みの評価である
ーー人間と動物の間
内井 惣七
岩波新書
2009年
科学哲学者によるダーウィン本であり、この書で西欧ではダーウィンが残した大量の手書きメモ・手紙等を元に「ダーウィン産業」と揶揄されるほどの大量の書籍が出され続けていることを知った。
科学哲学者の著作は何冊か読んだことがあるが、私には空虚な論説ばかりのように思え、この書も例外ではない。分析視点が異なるからであろう
科学哲学者の著作は何冊か読んだことがあるが、私には空虚な論説ばかりのように思え、この書も例外ではない。分析視点が異なるからであろう
p43
【ダーウィンの自然淘汰説は】マルサスの「人口論」を読んで自然淘汰説がひらめいたというのが定説である
p47
ダーウィンは、「結婚の損得勘定表」を」作るほどの分析的知性の持ち主で
p133
【ダーウィンは】ランの花の込み入った構造に魅惑され、その研究にのめりこんでしまう。それは1861年のこと。ランの花には、雄しべと雌しべがあり、ほとんど一体化してすぐ近くに位置しているにもかかわらず、自家受粉を避けるための「仕掛け」が発達しているらしいのだ。自然は出来るだけ自家生殖を避けるようにできているとという強い直観を持っていたダーウィンにとって、これは是非とも究明しておきたい話題だった
p191
(メスの)働きバチ
この問題は「血縁淘汰」という1960年代に現れたアイデアによって解決された。ハチは特殊な生殖メカニズムを持っていて、働きバチは自分の妹と4分の3の割合で遺伝子を共有しているのである。そこで、直観的に言えば、働きバチは自分の子(2分の一の遺伝子を共有)を生んで育てるよりも、女王バチが生んだ妹を育てる方が、自分の遺伝子を次の世代に残すためには効率が良いのである。そこで、自然淘汰によって、こちらの選択の山が選ばれ、働きバチの特異な行動戦略(ある種の利他行動に見える)が定着したと考えられている
筆者が何故説明を省略したのかは不明であるが、下記の通り
*メスバチ (女王バチと働きバチ):
受精卵から生まれ、染色体は2本で、その面ではヒトと同じだが、下記。後は著者のとおり
*オスバチ (オスバチ):
未受精卵から生まれ、染色体は1本しかない。従って、遺伝子は完全に女王バチと同じ。 オスバチは事実上の女王バチの「クローンバチ」である。当然、女王バチのために一見利他的な行動をするが遺伝子から見れば自己のための行動である。
p192
ドーキンス「利己的な遺伝子」での有名な例がある。
【鳥は体にとりついたダニをお互いに取り合う、取らなければ、病原菌の伝染になる旨】相互に「利他的な行為」を行うことで両者の生存率は大幅に改善される。このような生存戦略は自然淘汰で広がり得るのである
イギリス以外では動物学の分野ではドーキンスは否定されつつある。反面、イギリスでのみ、ドーキンスはダーウィン並みの評価である
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