2025年03月

波の科学おもしろサイエンスシリーズ音波・地震波・水面波・電磁波谷村 康行日刊工業新聞社2012年 著者の方は北海道教育大学を出られている、私がこれまで読んだ波動に関する一般向け概説書の中で断トツに優れた著作であり、教育大学出であることが大きく影響しているように ... もっと読む

はみだしの人類学松村 圭一郎NHK出版2020年 エチオピアを主たる研究対象とする文化人類学者の著作であるが、文化人類学の解説は皆無に近く、私には無意味な言葉の羅列と感じられた。環境が民族集団を形成するのではなく、民族集団固有の遺伝子変異が民族集団を形成するので ... もっと読む

アンデス文明ガイドブック 松本雄一 新泉社 2025年著者の方は、アンデス地域の遺跡が文明の名に値する点について一切疑問を感じておられない。また、一般にもアンデス「文明」であると承認されている。確かに、何をもって文明と呼びうるのかの定義は存在しない。しかし、 ... もっと読む

司馬遷 現代語訳 史記大木 康 訳・解説筑摩新書2011年執筆時点で東大東洋文化研究所教授であり研究に専念できる日本トップクラスの研究者による翻訳である。本棚には、「昔のタイプ」の中国史書籍が数多くあるが、読んでいると30年以上前にタイムスリップして中国古代史 ... もっと読む

境界性パーソナリティー障害の世界研究と治療の進歩から対人関係の謎を解明 ジェロルド・J・クライスマン、ハル・ストラウス 白川貴子 訳 翔泳社2023年臨床医であるアメリカ人医師の著作であり、豊富な実例紹介がなされている。紹介されたボーダーラインパーソナリティー ... もっと読む

光と電磁気ファラデーとマックスウェルが考えたこと電場とは何か?地場とは何か小山慶太講談社ブルーバックス2016年マックスウェルが48歳で亡くなったことを知らなかった。科学史家による解説であるが、科学読み物としてはよくできているマックスウェルが14歳の時に書いた論 ... もっと読む

中世は核家族だったか民衆の暮らしと生き方西谷正浩吉川弘文館2021年①寛喜の飢饉は1230年(寛喜2年)から1231年(寛喜3年)に発生した大飢饉であり鎌倉時代を通じて最大規模とされる。元史には下記を明記している。従って、朝鮮半島でも同様にモンゴル軍侵攻と飢饉の重なり ... もっと読む

中夏文明の誕生持続する中国の源を探るNHK「中国文明の謎取材班」NHK出版2012年いわゆる4大文明に加えてマヤ・アンデス文明を加えても、中国以外の古代文明は早くに消滅し、いずれも文明発祥地も16世紀以降順次西欧文明の完全な支配下になっている。かつてピラミッドは世界七 ... もっと読む

社会学大図鑑クリストファー・ソープ 他沢田 博 訳三省堂2018年イギリスで発刊された社会学の全般的入門書であるが、私には空虚な言葉の羅列に感じられた。社会人類学としても無意味である。フーコーがいわゆる白人ではないことを知ったのが唯一の成果である私のイメージ ... もっと読む

インド残酷物語世界一たくましい民池亀 彩集英社新書2021年 社会人類学者のフィールドワークであるが、学術的記述方式ではなく、とにかく面白いの一言に尽きる。しかし、著者は恐らくは、インドの根本的問題がヒンズー教にあることに気づいているに違いない。その意味におい ... もっと読む

Ancient genomes reveal trans-Eurasian connections between the European Huns and the Xiongnu Empire Guido Alberto Gnecchi-Ruscone et al. February 24, 2025Nature配信記事でこの論文が出たことを知った。匈奴=xiongnu=フン族であるかどうかというヨーロッパで長く ... もっと読む

心の脳科学「わたし」は脳から生まれる坂井 克之 中公新書2008年東大医学部という日本最難関の学部出身である人の著作である。しかし、「知性にきらめき」は本書では感じられない。この分野は日進月歩であり、2008年出版のためかなり古いという印象であったp135 「ウェック ... もっと読む

中国人の生活と文化朱 恵良筒井茂徳訳ニ玄社1994年 蔡倫が紙の発明者ではなく、むしろ改良者であることを初めて知った。豊富に画像が掲載されている反面、中国の衣食住についての記載は中国国内発売本であるためか少ない p151春秋戦国時代(前771-前221)には楼車という戦車 ... もっと読む

マヌ法典渡部信之東洋文庫ヒンズー教の聖典であるマヌ法典を読む時、インドの長い停滞の根本原因は、ヒンズー教にあると確信するに至る。宗教には、少なくとも信徒間では平等であると考える場合が多くイスラム教がその典型である。しかし、儒教・ヒンズー教の場合、「ヒトは ... もっと読む

民族がわかれば中国がわかる帝国化する大国の実情安田峰俊中公新書ラクレ2025年アニメのような装丁とは異なり、正確な記述の多い著作である。本書で初めて知ったが、ウイグル人に対する一般の中国人の印象は必ずしも良くないようである。著者のような日本の中国通、中国にお ... もっと読む

北朝鮮拉致工作員安 明進徳間書店1998年 北朝鮮のスパイ養成機関で6年間教育を受けた後に、38度線を越えて韓国に密入国し、その後に韓国に亡命したとしているまさに「人間のクズ」が書いたのかもしれない内容。ただし、単なるでっち上げに過ぎない可能性もある。*北朝鮮の ... もっと読む

科学の発見 スティーブン ワインバーク赤根 洋子 訳文藝春秋2016年 ワインバーク・サラムの電弱理論で有名な著者が科学史を講義していたとは知らなかった。何故、西欧でのみ、自然科学が生まれ、民主主義社会が形成されたのか?答えは、恐らくは、IQ分布の分散値にあるだろ ... もっと読む

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