2012年出版で第一線研究者とは言い難い著者3人による。流し読み。この頃はまだ、DNA全体=WGSの分析が一般的ではなかった時期であったため仕方がない。現在でもWGSと称する論文の多くが、性染色体を分析の対象としていない。)

p14
自然人類学には形態人類学、遺伝人類学、生理人類学、生態人類学の4分野があり、文化人類学には、先史考古学、民族学、社会人類学、言語人類学、心理人類学の5分野があります。
近年の日本では文化人類学の独立傾向が強まったため、人類学はイコール自然人類学だと思われるようになりました

p133
アセドアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)という酵素で
この酵素の能力が弱いタイプをDと記しますが、

【下のグラフは、

からだが、論文では、These results empirically suggest that natural selection signatures in the Japanese population were most evident at these three loci, which were distinct from observations in Europeans

としてるが、同調圧力の強い日本では、下戸は、淘汰されつつあることになる。
MHC (major histocompatibility comlex)は、免疫機能に係わる領域で、遺伝子数は多い。主要組織適合遺伝子複合体と長い訳が付けられている
ADH、ALDH2は、共に、アルコールを体内で分解する機能にかかるもの。






p186(ミトコンドリアDNAの)
9塩基欠失の変異ですが、日本人でも10%以上見つかり、日本人にも比較的よくみられる特徴と言えます。
北海道アイヌでは2%、沖縄では5%(沖縄のデータは宝来博士らによる)と日本人よりも低くなっています
要するに、ミトコンドリアDNAからは、縄文系の集団と見なされる北海道アイヌや沖縄の人たちは、本土日本人よりも南方系的な要素が少なく、南方由来とは考えにくい結果となりました

p193
埴原和郎博士が2重構造モデルとして提唱しましたが、同博士はその中で
地域差がいまだ強く残っているとしました。東日本・北日本では縄文人の影響が強く残り、西日本ではほとんど渡来系の人々で占められているとするものです

p194
住博士は、
特に沖縄の人たちに多くみられるハプログループM7aで、コチラは日本列島以外ではほとんど見られないことや縄文人人骨でも検出されることなどから縄文人とその子孫を特徴づけるハプログループとみなすことができます。もう一つは、渡来系の弥生人を特徴づけるハプログループで、ハプログループN9aです。コチラのハプログループは、縄文人人骨には全く見られないことから弥生時代に渡来した人たちによってもたらされたことは確かだと思われます

IMG_1129


(調べると以下の通り。いずれもwikipediaからであるが、上の画像にみるデータは非常に簡単な計算式から住斉氏が算出したもののようだ。なお、住斉氏は、理論物理学者であり、定年後趣味で研究を始めた。

日本各地の縄文系対弥生系人口比率と日本人成立過程(交流)

という論文を書かれており、引用数も一定数あるが、論文自体がウェブ上で入手不可である)

①ハプログループN9はN9a、N9b、Yの3つの下位系統に分かれる。このうちYはアイヌを含むオホーツク海沿岸に多い(詳細はハプログループY (mtDNA)を参照)。ハプログループN9aは東アジア、東南アジア、中央アジアに広くみられるが、とくに中国南部や台湾先住民に比較的多く見出される[1]

篠田謙一(2007)『日本人になった祖先たち』NHK出版 P120

ハプログループM7a


2010年までに沖縄県石垣島白保竿根田原洞穴遺跡から発掘された、旧石器時代人骨国立科学博物館が分析した結果、国内最古の人骨(約2万-1万年前)とされた4点のうち2点は、このハプログループM7aと呼ばれる系統であることが明らかとなった[4]

根拠4は新聞記事に過ぎない
『白保竿根田原洞穴:旧石器人骨からDNA…国内で最古』”. 毎日新聞 (2013年12月2日). 2013年12月2日閲覧。


日本人の約7.6%がこの型に属し、沖縄(23%)、本州(7%)の他、北海道アイヌ(16%)や、縄文人の人骨からも検出されている。韓国人にも3%弱確認され、縄文時代に日本から移住したと考えられている。