在日朝鮮人散住地域における教育戦略としての朝鮮学校選択
ポストコロニアルな社会的排除との関係において
宮 﨑 理
本研究は、社会的排除研究においてこれまで論じられることが少なかった朝鮮学校に子 どもを通わせている保護者たちの学校選択を題材にし、植民地主義的な背景を持つ社会的 排除=ポストコロニアルな社会的排除との関係において考察するものである。
日本でみられるポストコロニアルな社会的排除のひとつとして、在日朝鮮人に対するも のが挙げられる。特に、朝鮮学校はいまだに植民地主義に背景を持つ排除が見られる場の ひとつである。
民族教育を守ろうと「たたかう在日朝鮮人」と、それに対して「弾圧を加える日本政府」 という二項対立的な歴史観が描かれてきた。
そもそも朝鮮学校に子どもを通わせることの理由を、アイデンティティの形成 のための主体的で自由な選択として一括りに説明できるものなのであろうか。
特筆すべき点は、このような集住地域は、日本全国でごく限られているということ
初級学校・中級学校・高級学校の他に、就学前教育としての幼稚班、東京都小平市には 大学にあたる朝鮮大学校がある。2012 年 4 月現在、これらの学校は合わせて 102 校、66 か所あり、約一万人が在籍している。
【1934年データ】
朝鮮学校に子どもを通学させている保護者の教育戦略を把握するために、彼/彼女たち にインタビュー調査を行った。調査期間は、2014 年 6 月から 2015 年 1 月である。
表 9 は、本研究における調査対象者の特徴をまとめたものである。 調査対象者 7 人は、世代的には、朝鮮半島から日本に渡航した最初の代の人びとから数え て 2 世(3 人)または 3 世(4 人)のいずれかである。
調査実施当時の年齢は、40 代前半 (2 人)、40 代後半(3 人)、50 代後半(2 名)であり、1950 年代後半から 1970 年代前半 に生まれた人びとである。朝鮮学校児童・生徒との続柄は、父親 4 人、母親 3 人であり、 そのうち 2 組が夫婦である32。
職業については、大きな特徴があった。それは、調査対象者は、在日朝鮮人同士の関係 の中で職業的世界を獲得していたということである。調査実施当時の職業を見てみると、 パチンコ会社役員、飲食店従業員、金融機関職員、その他企業の事務職員であった。
【すべてが在日の会社・機関】
調査対象者たちに共通していたのは、最終学歴が高級部(5 人)か大学校(2 人)かの 別はあるにせよ、皆が朝鮮学校の卒業生であるという点である。
第2項 学校選択の経緯
「お子さんを朝鮮学校に通わせることになった経緯について教えて頂けますか」という 筆者の質問に対して、子どもが修学年齢に達すると同時に朝鮮学校に入学させた調査対象 者たち 6 人は、子どもを朝鮮学校に通わせることに特別な理由はないと答えた。
調査対象者 たちにとって、子どもを朝鮮学校に通わせるということは、主観的には「あたりまえ」の 学校選択であるかのように捉えられていたのである。
彼/彼女たちは、当然のように第一 子を初級部入学の時点から朝鮮学校に通わせており、それに続いて、第二子以降の子ども たちも朝鮮学校に通わせていた。 ここでいう「あたりまえ」には、保護者自身も朝鮮学校に通ったので、子どもを朝鮮学 校に通わせることは「あたりまえ」であるという含意がある。
A :そうです、小学校一年生から寮に入って。その頃、うちは小さい頃から、「お前は 朝鮮学校に行くんだよ、当然、朝鮮人だから朝鮮学校行くんだよ」って〔親に〕 言われてここに入って、育って。自分も結婚して子どもができて、学校に当然入 れる時になるとこの学校がまだあったので、今でもありますけど、そこはもう普 通に。だから日本学校に行くっていう選択肢がそもそもないんです。基本的に。
A :僕も寮だったから、小学校 1 年生から寮だったから、その自分の子どもを寮に入 れるっていうこと自体もそんなに抵抗は。
B :それは、あのー、決定っていうより、私達もう結婚して子供ができた時点で、入 れるっていうことは、もう家族のなかで暗黙の了解としてもうあったので。
F :たぶんそんな状況の中で日本学校に通わしちゃったらもう、もう何も残らないと 思うんですよね。すべて否定され、自分で自分を否定しちゃった感じがするので。 そういう状況であればあるほど、きっと行かせるんじゃないかなとは思いますね。 下の息子がランドセルの背中のところに北朝鮮の旗をピッて、バッジをつけてる んですよね。みんながよく、「地下鉄でやられるぞ」とかっていう話をしてます。 でもまあ、それがたぶん日本学校に行ってたらほんとにやられるだろうし、気持 ちがね。そこに逃げちゃうっていうか、そうしちゃったらもうそうなっちゃうか ら、もう絶対。であればあるほど、そういう状況であればあるほど、自分を守れ るのはたぶん日本学校じゃなくて朝鮮学校だと思うので。
B :やっぱり、あのー、団体生活っていうのがとてもよかった。させることによって、 やっぱり子ども達のすごい成長も見られたし、よかったなと思います。で、やっ ぱりね、うちの学校というのは、まだまだ縦社会だから、その、上の人に対する 礼儀とか、そういうのはすごく厳しいので、そういう面では、だから、誰に会っ ても必ず子ども達あいさつちゃんとしますし。そういうところはやっぱり、あの ー、親が教えなくても、自然と先生達が教えてくれるし、先輩達が教えてくれる し。そういう面では、教えなくても、親が教えなくてもちゃんとやってくれると いう、そういう礼儀作法って一番大事な部分なので。
E :学費とかね。高いからね。ここだと補助金とか、高校無償化対象外だし。お金、 続くかなとか、そういう現実的なことあるんでね。
第1項 在日朝鮮人同士をつなぐものとしての朝鮮学校 調査対象者たちは、朝鮮学校は地理的な限定のある在日朝鮮人コミュニティの中心的な 存在として位置付けられるものであると語った。
G :やっぱりね、在日の社会の中で朝鮮学校の意義ってすごく大きいと思います、私 は。そうなんですよ。在日の人たちが集まる場はやっぱり学校だし。そう、そう。 悪いけど総聯自体ももう弱いし。学校の行事って言ったら、それでも在日の同胞 とかは集まるんですよ。こっちで大きい行事、運動会とか、なんかすれば、それ でもうじゃあ学校行ってみようかとか。学校が衰退して学校がなくなればそうい うコミュニティの場もなくなるし。
日本人が圧倒的多数の日本社会のなかで、マイノリティとしての在日朝鮮人にとって、 コミュニティの中心となる朝鮮学校の存在は非常に大きい。朝鮮学校は個々の在日朝鮮人 同士を呼び集め、集団として再生産する機能を果たしている。これは、朝鮮学校が持って いる子どもを教育するという以上の機能である。そうした朝鮮学校の機能は、特に散住地 域の朝鮮人にとって大きな意味を持っている。
D :朝鮮学校ってどこに行っても自分の子どものようにみんなが接してくれるので、 それはどこどこのハッキョ(学校)から来ましたって言うだけで、みんな。だか ら私たちもお嫁に来たりとか、行ったりとか、要するに県外に行っても、なにか しら誰かと繋がってるっていうのが結構、「あ、その人知ってる!」みたいな感 じになるので。私なんかは高校までしか行ってないので、大学とか通ってる子た ちからすると、自分の友達が大学行ってたら、「同級生にこの人いる?」みたい な感じになって話がみんな繋がるので、そういう面では初めに行った時は自分 1 人ですけど、だんだん知ってくうちにどんどんいろんな人と、この人のことも知 ってるのみたいな感じになるので、その点は日本の学校と、朝鮮学校の違いって いうか。 C :そういう絆は強い。
C :みんな親戚なんですよ。辿ってくと、こんなところまで親戚って、どこまでも繋 がってるんですね。こうやって結婚すると、こっちの誰かとこっちの誰かが親戚 って、あの人の子ども、あの人の子どもってなって、みんなほとんど親戚。
朝鮮学校に子どもを通わせることは、朝鮮学校を中心として形成される人間関係を、社 会関係資本として子どもに相続させることである。調査対象者たちは、在日朝鮮人同士の 社会的ネットワークの中で職業の斡旋を受けてきていた。しかし、この機能は現在では後 退している。代わりに重要になっているのが、在日朝鮮人であることの帰属意識をもたら す機能である。
C :昔はそういうところ〔民族系の金融機関〕で働いていると、ウリハッキョに〔子 どもを通わせる〕っていうのが、まあ、基本じゃないけど、自然に。
D :条件じゃないけど、まあ、みんながそういう〔子どもを朝鮮学校に通わせるとい う〕環境だったんですよ。でもそのことによって、ふたりでなんかやっぱり近く の学校がいいとか、そういうのを話した記憶はないんですよね。だからもう学校 に入れるっていうふうになった時に、そこ(朝鮮学校)に入れる為には寮に入れ なきゃいけない、必ず寮に入れなきゃいけない条件だったんですけど、何も別に。
F :いや、どうなんでしょうね。やっぱり主人の働いている会社も、それこそ総聯系 の感じなので、たぶんちょっとした圧力もあるんですよね。「入れなよ」みたい な感じで。それもあったと思います。
G :それだけはなんかあるんですよね。やっぱりね、在日の社会の中で朝鮮学校の意 義ってすごく大きいと思います、私は。 *:ああ、そうですか。
G :そうなんですよ。在日の人たちが集まる場はやっぱり学校だし。
ポストコロニアルな社会的排除との関係において
宮 﨑 理
在日朝鮮人への文化人類学的アプローチ=インタビューを期待して、博士論文らしい内容を拾い読みしたが参考になった。人類学に分類しておく。FDA論文は恐らくは正しいであろうからしてDNAから見た在日朝鮮人約90万人中の約1割程度8~9万人はヘテロ接合型の完全なDNA異常者であることは確実である。真に恐るべきことである。暴力団に朝鮮人が多い主原因と断定して間違いない。社会学的要因ではなく、遺伝的要因による。
この論文が対象とした朝鮮籍朝鮮人は、ほぼ日本人とは婚姻しないであろう。従って、ヘテロ接合型で日本人中に在日朝鮮人のDNA異常者の遺伝子が広まる確率は小さい。反面、朝鮮籍朝鮮人の間では、ヘテロ接合型でDNA異常者が速いペースで増加していき、必然的に、絶対に必ず影響がでるホモ接合型DNA異常者もすこしづつ増加してゆく。数十世代経過すれば、ホモ接合型DNA異常者も相当数に達するであろう。今の韓国や北朝鮮は、そのようにして形成された異常国家・病身国家である。この連中が自分たちのDNAの集団としての異常性に気づくころには、既に集団としては朝鮮半島を含め数十万人にまで減少している可能性が高い。
問題なのは、北朝鮮崩壊に伴う韓国からの大量の避難民流入である。いかなる手段を講じても北朝鮮崩壊に伴う韓国からの大量の避難民流入を防がねばならない。
この論文が対象とした朝鮮籍朝鮮人は、ほぼ日本人とは婚姻しないであろう。従って、ヘテロ接合型で日本人中に在日朝鮮人のDNA異常者の遺伝子が広まる確率は小さい。反面、朝鮮籍朝鮮人の間では、ヘテロ接合型でDNA異常者が速いペースで増加していき、必然的に、絶対に必ず影響がでるホモ接合型DNA異常者もすこしづつ増加してゆく。数十世代経過すれば、ホモ接合型DNA異常者も相当数に達するであろう。今の韓国や北朝鮮は、そのようにして形成された異常国家・病身国家である。この連中が自分たちのDNAの集団としての異常性に気づくころには、既に集団としては朝鮮半島を含め数十万人にまで減少している可能性が高い。
問題なのは、北朝鮮崩壊に伴う韓国からの大量の避難民流入である。いかなる手段を講じても北朝鮮崩壊に伴う韓国からの大量の避難民流入を防がねばならない。
本研究は、社会的排除研究においてこれまで論じられることが少なかった朝鮮学校に子 どもを通わせている保護者たちの学校選択を題材にし、植民地主義的な背景を持つ社会的 排除=ポストコロニアルな社会的排除との関係において考察するものである。
日本でみられるポストコロニアルな社会的排除のひとつとして、在日朝鮮人に対するも のが挙げられる。特に、朝鮮学校はいまだに植民地主義に背景を持つ排除が見られる場の ひとつである。
民族教育を守ろうと「たたかう在日朝鮮人」と、それに対して「弾圧を加える日本政府」 という二項対立的な歴史観が描かれてきた。
そもそも朝鮮学校に子どもを通わせることの理由を、アイデンティティの形成 のための主体的で自由な選択として一括りに説明できるものなのであろうか。
特筆すべき点は、このような集住地域は、日本全国でごく限られているということ
初級学校・中級学校・高級学校の他に、就学前教育としての幼稚班、東京都小平市には 大学にあたる朝鮮大学校がある。2012 年 4 月現在、これらの学校は合わせて 102 校、66 か所あり、約一万人が在籍している。
【1934年データ】
朝鮮学校に子どもを通学させている保護者の教育戦略を把握するために、彼/彼女たち にインタビュー調査を行った。調査期間は、2014 年 6 月から 2015 年 1 月である。
表 9 は、本研究における調査対象者の特徴をまとめたものである。 調査対象者 7 人は、世代的には、朝鮮半島から日本に渡航した最初の代の人びとから数え て 2 世(3 人)または 3 世(4 人)のいずれかである。
調査実施当時の年齢は、40 代前半 (2 人)、40 代後半(3 人)、50 代後半(2 名)であり、1950 年代後半から 1970 年代前半 に生まれた人びとである。朝鮮学校児童・生徒との続柄は、父親 4 人、母親 3 人であり、 そのうち 2 組が夫婦である32。
職業については、大きな特徴があった。それは、調査対象者は、在日朝鮮人同士の関係 の中で職業的世界を獲得していたということである。調査実施当時の職業を見てみると、 パチンコ会社役員、飲食店従業員、金融機関職員、その他企業の事務職員であった。
【すべてが在日の会社・機関】
調査対象者たちに共通していたのは、最終学歴が高級部(5 人)か大学校(2 人)かの 別はあるにせよ、皆が朝鮮学校の卒業生であるという点である。
第2項 学校選択の経緯
「お子さんを朝鮮学校に通わせることになった経緯について教えて頂けますか」という 筆者の質問に対して、子どもが修学年齢に達すると同時に朝鮮学校に入学させた調査対象 者たち 6 人は、子どもを朝鮮学校に通わせることに特別な理由はないと答えた。
調査対象者 たちにとって、子どもを朝鮮学校に通わせるということは、主観的には「あたりまえ」の 学校選択であるかのように捉えられていたのである。
彼/彼女たちは、当然のように第一 子を初級部入学の時点から朝鮮学校に通わせており、それに続いて、第二子以降の子ども たちも朝鮮学校に通わせていた。 ここでいう「あたりまえ」には、保護者自身も朝鮮学校に通ったので、子どもを朝鮮学 校に通わせることは「あたりまえ」であるという含意がある。
A :そうです、小学校一年生から寮に入って。その頃、うちは小さい頃から、「お前は 朝鮮学校に行くんだよ、当然、朝鮮人だから朝鮮学校行くんだよ」って〔親に〕 言われてここに入って、育って。自分も結婚して子どもができて、学校に当然入 れる時になるとこの学校がまだあったので、今でもありますけど、そこはもう普 通に。だから日本学校に行くっていう選択肢がそもそもないんです。基本的に。
A :僕も寮だったから、小学校 1 年生から寮だったから、その自分の子どもを寮に入 れるっていうこと自体もそんなに抵抗は。
B :それは、あのー、決定っていうより、私達もう結婚して子供ができた時点で、入 れるっていうことは、もう家族のなかで暗黙の了解としてもうあったので。
F :たぶんそんな状況の中で日本学校に通わしちゃったらもう、もう何も残らないと 思うんですよね。すべて否定され、自分で自分を否定しちゃった感じがするので。 そういう状況であればあるほど、きっと行かせるんじゃないかなとは思いますね。 下の息子がランドセルの背中のところに北朝鮮の旗をピッて、バッジをつけてる んですよね。みんながよく、「地下鉄でやられるぞ」とかっていう話をしてます。 でもまあ、それがたぶん日本学校に行ってたらほんとにやられるだろうし、気持 ちがね。そこに逃げちゃうっていうか、そうしちゃったらもうそうなっちゃうか ら、もう絶対。であればあるほど、そういう状況であればあるほど、自分を守れ るのはたぶん日本学校じゃなくて朝鮮学校だと思うので。
B :やっぱり、あのー、団体生活っていうのがとてもよかった。させることによって、 やっぱり子ども達のすごい成長も見られたし、よかったなと思います。で、やっ ぱりね、うちの学校というのは、まだまだ縦社会だから、その、上の人に対する 礼儀とか、そういうのはすごく厳しいので、そういう面では、だから、誰に会っ ても必ず子ども達あいさつちゃんとしますし。そういうところはやっぱり、あの ー、親が教えなくても、自然と先生達が教えてくれるし、先輩達が教えてくれる し。そういう面では、教えなくても、親が教えなくてもちゃんとやってくれると いう、そういう礼儀作法って一番大事な部分なので。
E :学費とかね。高いからね。ここだと補助金とか、高校無償化対象外だし。お金、 続くかなとか、そういう現実的なことあるんでね。
第1項 在日朝鮮人同士をつなぐものとしての朝鮮学校 調査対象者たちは、朝鮮学校は地理的な限定のある在日朝鮮人コミュニティの中心的な 存在として位置付けられるものであると語った。
G :やっぱりね、在日の社会の中で朝鮮学校の意義ってすごく大きいと思います、私 は。そうなんですよ。在日の人たちが集まる場はやっぱり学校だし。そう、そう。 悪いけど総聯自体ももう弱いし。学校の行事って言ったら、それでも在日の同胞 とかは集まるんですよ。こっちで大きい行事、運動会とか、なんかすれば、それ でもうじゃあ学校行ってみようかとか。学校が衰退して学校がなくなればそうい うコミュニティの場もなくなるし。
日本人が圧倒的多数の日本社会のなかで、マイノリティとしての在日朝鮮人にとって、 コミュニティの中心となる朝鮮学校の存在は非常に大きい。朝鮮学校は個々の在日朝鮮人 同士を呼び集め、集団として再生産する機能を果たしている。これは、朝鮮学校が持って いる子どもを教育するという以上の機能である。そうした朝鮮学校の機能は、特に散住地 域の朝鮮人にとって大きな意味を持っている。
D :朝鮮学校ってどこに行っても自分の子どものようにみんなが接してくれるので、 それはどこどこのハッキョ(学校)から来ましたって言うだけで、みんな。だか ら私たちもお嫁に来たりとか、行ったりとか、要するに県外に行っても、なにか しら誰かと繋がってるっていうのが結構、「あ、その人知ってる!」みたいな感 じになるので。私なんかは高校までしか行ってないので、大学とか通ってる子た ちからすると、自分の友達が大学行ってたら、「同級生にこの人いる?」みたい な感じになって話がみんな繋がるので、そういう面では初めに行った時は自分 1 人ですけど、だんだん知ってくうちにどんどんいろんな人と、この人のことも知 ってるのみたいな感じになるので、その点は日本の学校と、朝鮮学校の違いって いうか。 C :そういう絆は強い。
C :みんな親戚なんですよ。辿ってくと、こんなところまで親戚って、どこまでも繋 がってるんですね。こうやって結婚すると、こっちの誰かとこっちの誰かが親戚 って、あの人の子ども、あの人の子どもってなって、みんなほとんど親戚。
朝鮮学校に子どもを通わせることは、朝鮮学校を中心として形成される人間関係を、社 会関係資本として子どもに相続させることである。調査対象者たちは、在日朝鮮人同士の 社会的ネットワークの中で職業の斡旋を受けてきていた。しかし、この機能は現在では後 退している。代わりに重要になっているのが、在日朝鮮人であることの帰属意識をもたら す機能である。
C :昔はそういうところ〔民族系の金融機関〕で働いていると、ウリハッキョに〔子 どもを通わせる〕っていうのが、まあ、基本じゃないけど、自然に。
D :条件じゃないけど、まあ、みんながそういう〔子どもを朝鮮学校に通わせるとい う〕環境だったんですよ。でもそのことによって、ふたりでなんかやっぱり近く の学校がいいとか、そういうのを話した記憶はないんですよね。だからもう学校 に入れるっていうふうになった時に、そこ(朝鮮学校)に入れる為には寮に入れ なきゃいけない、必ず寮に入れなきゃいけない条件だったんですけど、何も別に。
F :いや、どうなんでしょうね。やっぱり主人の働いている会社も、それこそ総聯系 の感じなので、たぶんちょっとした圧力もあるんですよね。「入れなよ」みたい な感じで。それもあったと思います。
G :それだけはなんかあるんですよね。やっぱりね、在日の社会の中で朝鮮学校の意 義ってすごく大きいと思います、私は。 *:ああ、そうですか。
G :そうなんですよ。在日の人たちが集まる場はやっぱり学校だし。